美容サロンに通うお客様の多くは、「サロンだけでなく、自宅でもきちんとケアをしたい」という意識を持っています。とはいえ、実際にどうホームケアをすればいいのか分からず、つい市販の製品に頼ってしまう方も少なくありません。そんなお客様に対して適切なアドバイスを行うことで、サロン売上が大きく伸びる可能性があるのをご存じでしょうか?
今回は、ホームケアアドバイスを実践することで実際に売上が2倍近く伸びた事例をもとに、その理由やノウハウをわかりやすく解説していきます。私はこれまで大手化粧品OEMメーカーで100社以上の企画・製造に関わり、美容サロンの商品開発や店舗運営サポートも行ってきました。その経験を踏まえて、ホームケアアドバイスがサロンの売上とお客様の満足度、両方を高める秘訣をご紹介します。美容業界の現場ですぐに活かせる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
1. なぜホームケアアドバイスが重要なのか?

1-1. お客様は「その場限り」ではなく、継続的な美を求める
サロンに来店するお客様の多くは、施術だけで終わらせたくないと考えています。「ここで得たキレイをなるべく長持ちさせたい」「定期的に通えなくても、自宅で補いたい」というニーズは非常に高いのです。もしサロンがホームケアの方法を積極的に提案できていなければ、お客様は独自で製品やメソッドを探し、最悪の場合は間違ったセルフケアで肌や髪を痛めてしまうリスクもあります。
1-2. サロンのブランド価値を高めるチャンス
ホームケアを上手に取り入れると、サロンでの施術効果が高まり、お客様の満足度がぐんとアップします。さらに、サロンオリジナルのケア商品やメソッドを提案すれば、「ここのサロンはアフターケアまでしっかりしてくれる」「プロが開発・推奨している製品なら安心」といった信頼を得やすくなるのです。
1-3. 売上アップとリピート率向上の相乗効果
ホームケア商品の販売は、単に“物を売る”だけではありません。サロンでの施術効果を持続させる“手段”として案内することで、お客様が継続的に購入する仕組みづくりを実現できます。その結果、リピート率が高まり、売上の底上げにもつながるのです。短期的にも長期的にもメリットが大きいホームケアアドバイスは、今やサロン経営に欠かせない要素となっています。
2. ホームケアアドバイスで売上が2倍になった理由

2-1. 具体的・実践的なアドバイスが鍵
多くのサロンでありがちなのが、「この美容液を使うといいですよ」「毎日しっかり保湿してください」といった、ざっくりしたアドバイスだけをして終わってしまうケースです。これではお客様はなかなか「やってみよう」という気持ちになりません。売上が2倍にまで伸びたサロンの例をみると、
- 商品を使うタイミング
- 適切な使用量
- 使用する順番
- 注意点(肌質や季節に合わせたコツ)
といった具体的な説明をきめ細かく行っていることが分かります。こうした“実践ベース”の情報があれば、お客様は「試してみたい」と行動に移しやすいのです。
2-2. カウンセリングとセット販売の徹底
施術後に、スタッフがカウンセリングルームやレセプションスペースで時間を取り、「今日はここが乾燥気味でした」「頭皮の皮脂がちょっと多いみたいなので、対策としては…」といった施術中の気づきを共有しながら、ホームケア商品を具体的に提案していました。効果や使い方だけでなく、施術で実感した状態に合わせて製品をセットで売ることが、売上向上の大きな要因となっています。
例えば、
- 化粧水+美容液+クリームの3点セット
- シャンプー+トリートメント+週1回の集中ケアマスク
といった形で、まとめ買いを進めるアプローチをしているのです。これにより、お客様の肌や髪に合う商品を一括で提案できるため、「とりあえず全部そろえておこう」という心理が働き、自然と客単価が上がります。
2-3. スタッフ全員が商品知識を共有
ホームケアアドバイスで成果を出しているサロンは、スタッフ間での商品知識の共有が徹底的に行われています。実際にスタッフ自身が製品を使ってみて感じたことや、お客様から寄せられた感想などをデータベース化し、いつでも確認できるようにしているのです。
これにより、どのスタッフが対応しても、一定のクオリティでアドバイスができるようになります。結果として、お客様からは「どの人に相談しても安心」と思ってもらい、スタッフ側も自信を持って商品をおすすめできるので、売上アップの好循環が生まれます。
3. ホームケアアドバイスを成功させるためのポイント

3-1. お客様のライフスタイルをヒアリングする
どんなに優れた商品でも、お客様の生活リズムや好みに合わなければ使い続けてもらえません。例えば、朝は忙しくて時間がない方に、朝晩2回の手間がかかるケアを提案しても続きにくいですよね。
スタッフがカウンセリング時に「朝はどのくらい時間をかけられますか?」「普段はどんな手順でスキンケアしていますか?」といったライフスタイル面をしっかり聞き取ることで、無理なく使えるホームケアを組み立てることができます。そこに**“自分に合った提案をしてくれるサロン”**という信頼感が生まれるのです。
3-2. デモンストレーションで納得感を高める
口頭での説明に加え、実際に商品を使ってみるデモンストレーションは強力な説得力を持ちます。スタッフが自分の肌や髪で軽く試して見せたり、お客様の手の甲に少量を塗ってその感触や香りを体験してもらうのです。五感を通じたアプローチが、購買意欲を高める大きな要因となります。
3-3. 継続フォローとフィードバック
ホームケア商品を購入しても、それで終わりではありません。数週間後や次回の来店時に、「使い心地はいかがでしたか?」「肌の調子は変わりましたか?」などとフォローアップすることで、次の購入や追加商品につなげることが可能です。お客様からの感想や悩みを吸い上げ、さらにアドバイスをブラッシュアップしていく姿勢が大切です。
4. 売上と顧客満足度を同時に高める仕組みづくり

4-1. 商品選定と在庫管理のポイント
ホームケアアドバイスを軸に売上を伸ばそうとするなら、サロンが扱う商品選定も重要です。あまりにも多くの種類を置くと管理が大変になるうえ、お客様も混乱してしまう可能性があります。逆に少なすぎるとバリエーションに欠け、お客様のニーズを満たせないことも。
- 主要ラインを2~3本ほどに絞り、そこに集中する
- 季節限定や特別ラインなどをスポットで取り入れる
といった形でバランスを取ると良いでしょう。また、在庫切れを防ぐための最低在庫数や、商品が動きづらいときのキャンペーン企画など、定期的に見直す運用ルールを整えておくことが大切です。
4-2. スタッフ教育と評価制度
スタッフ全員が同じ熱量と知識で商品をおすすめできる環境づくりが欠かせません。定期的な勉強会を開き、商品の使い方や理論背景を学び合う機会を設けましょう。特に新商品導入前には、試用期間を設けてスタッフ全員が実際に使い、感想や注意点を共有するプロセスが重要です。
また、売上の数字ばかりを追求すると、お客様に無理な押し売りをするスタッフが出てくるリスクも。そこで、
- アドバイスの質
- 接客態度
- お客様からのフィードバック
など、定性的な評価を加味した体制を作ることで、スタッフが安心してお客様のための提案を行えるように仕組み化すると良いでしょう。
4-3. オリジナル商品の活用
ホームケアアドバイスと相性が良いのが、サロン独自に開発したオリジナル化粧品やヘアケア商品です。一般的な市販品と比較して差別化しやすく、施術効果をより高めるためのこだわりが詰まっているため、提案時に強い説得力を持ちます。近年は小ロットでのOEMが充実しているので、在庫リスクを抑えながら始められるのも魅力です。
5. 実際の成功事例:ホームケアアドバイスで売上2倍

5-1. 敏感肌向けサロンのケース
敏感肌向けの施術をメインとするサロンが、施術後のアフターカウンセリングを徹底し、その場で低刺激性の化粧水とクリームを提案。スタッフ自身も敏感肌の方が多く、リアルな体験談を交えながらアドバイスを行ったところ、3ヶ月後にはスキンケア商品の売上が2倍以上に伸びたそうです。お客様からは「ここなら安心して相談できる」「定期的に通って、肌状態を相談したい」との声が増え、リピート率も上昇。
5-2. エイジングケア専門サロンのプレミアムライン
エイジングケアに力を入れている高級志向のサロンでは、施術で使った美容液やクリームをホームケア用としてセット販売。施術中に「この成分がこんな効果をもたらします」と具体的に説明し、実際にお客様もその手応えを感じるので、そのまま商品に興味を持つ流れがスムーズにできあがりました。結果として、単価の高いプレミアムラインが大きな売上の柱となり、サロン全体の月間売上を大幅に引き上げる要因になっています。
5-3. ヘアサロンでのシャンプー&トリートメント提案
ヘアサロンでは、洗髪やドライの工程でお客様の髪質を直接確認できます。その上で「カラーリングした髪を長持ちさせるにはこのシャンプーがおすすめです」「ボリュームが気になるなら、このトリートメントが効果的ですよ」とアドバイスを行った結果、施術後の追加購入が急増。お客様も髪をきれいに保ちたい意欲が強いため、定期的な買い替え需要も高まり、売上が2倍以上になったケースが報告されています。
6. まとめ:ホームケアアドバイスでサロンの未来を切り拓く
ホームケアアドバイスは、お客様にとってもサロンにとっても大きなメリットがあります。お客様は自宅でもサロン級のケアを実践でき、きれいな状態を長くキープできるようになります。一方、サロン側は売上アップや顧客満足度向上、リピート率の増加など、ビジネス面でのメリットを得られます。
ここでご紹介したように、具体的なアドバイス内容やスタッフ全員の知識共有、そして継続的なフォローアップが欠かせません。さらに、サロンオリジナルのケア商品を開発して提案できれば、差別化の武器としてより一層効果を発揮します。ホームケアアドバイスで売上が2倍になったサロンの事例は珍しくなく、今後もますます重要性が高まっていくでしょう。
現場ですぐに使えるアドバイスや提案手法から取り入れてみて、あなたのサロンの魅力をさらに高めてみませんか?ホームケアを制する者は、美容サロン経営を制すると言っても過言ではない時代が到来しています。ぜひ今回の記事をヒントに、ホームケアアドバイスを軸にした新たなビジネスチャンスをつかんでください。
オリジナルブランドの化粧品・コスメ・医薬部外品を開発したい方は
お気軽にお問い合わせください
私たちは、オリジナルブランドの化粧品・コスメ・医薬部外品を開発、販売サポートするOEM/ODM製造のプロフェッショナルチームです。美容院、ネイル・まつ毛サロンをはじめ、宿泊施設や様々なケースでの対応実績がございます。お気軽にご相談ください。

コメント